武士と藍のおはなし

藍は平安時代までは主に宮廷や上流貴族が身に着ける高貴な色とされており、法隆寺や正倉院にも布類が多数保管されています。

日本の武士階級においては、藍染めは重要な地位や社会的な地位を表す象徴的な色でした。武士たちは自分たちの正統性や忠誠心を示すために戦の時にも藍染めの衣服を着用しました。また、藍を黒く見えるほど深く染めあげた濃紺色は、「褐色」(かちいろ)と言い、「勝ち」に通じ、武具の染め色や祝賀の時に用いられ、鎌倉時代には武士が「勝ち色」を身に着ける習慣が定着していました。第五話でもお話したようにサッカーの日本代表のユニフォーム色の「サムライブルー」も「勝ち色」の他にも「日本の国土を象徴する海と空の青」の意味も含まれているようです。