世界の藍 ヨーロッパ編の3回目はドイツの藍染めについてです。
ドイツの藍染めは17世紀後半、オランダ東インド会社の旅行者たちによって伝えられたのが始まりと言われ、主にリネンやコットンなどの織物に多く使われ、農民や労働者の衣服、家庭用のテキスタイルなどに広く用いられました。
主に自然の植物から抽出されるインディゴの染料が使用され、深い青色が美しいです。 型紙を使用して布に模様を付ける型染めの技法は、細部にわたる精緻なデザインが施されていて、その独特の美しさと緻密さが評価されています。また、地域ごとに異なるデザインや技法が存在し、地域の文化や伝統を反映しています。
一時急速な工業化で衰退の一途をたどりましたが、現在では職人技術として継承されており、伝統的なテキスタイル製品としての価値が見直されています。伝統的な藍染め技術を守りつつも、ファッションやアートなどさまざまな分野で新しい形で活用されています。
2018年にはユネスコの世界無形文化遺産に「藍染め ヨーロッパにおける防染ブロックプリントとインディゴ染色」として、ドイツ、オーストリア、チェコ共和国、ハンガリー、スロバキアの5カ国共同で登録されました。