世界の藍 ヨーロッパ編、第4回目はイギリスの藍染めです。
イギリスは、藍染めにおいても世界的な影響力を持つ国の一つであり、その歴史は特に産業革命の時代において重要な役割を果たしました。
現在イギリスでは藍染めに合成染料を使用しますが、イギリスの藍染めの歴史にも、天然の染料を用いた時代があり、ウォード(大青)という植物を使うことが主流でした。その後インドからインド藍が輸入され、1750~1850年頃のイギリスでは、藍染めも含め、天然の染料を使った染め物が流行しました。
ところが19世紀後半に合成染料が発明され、産業革命の進展で合成染料が安価に大量生産が可能になったことで普及し、天然の藍染は次第に衰退しました。
合成藍も天然藍と同じように、酸化により色が変化します。そのため染め方は同じですが、天然藍の方が色にばらつきがなく、奥行きのある色が出せるといわれています。また合成藍では黒に近い濃い藍色や、きわめて淡い藍色を出すことが難しいです。
弊社の「藍色48色」といわれる繊細な色の幅も、天然藍染だから可能なのです。